冬、庭木などにりんごを刺しておくと、すぐに飛んできてくれる馴染みのヒヨドリ。
ケンカばかりしている気の荒い鳥だが、ほっぺたの赤茶色のマルがご愛嬌。
果樹園にとってヒヨドリは有害鳥獣のトップだ。
作業所小屋のまわりに集団でたむろし、捨てられたりんごや梨を跡形もなくきれいに食べてくれる。毎年、数えきれないヒヨドリが冬の捨てられたりんごにあつまってくる。
朝から晩まで、ギャーギャーないて、食べている時間よりケンカしている時間のほうが多いようだ。
そこまではよいのだが、3月になると、ふくらみかけた花をついばむ。
特にグミの芽はうまいらしく、いまだに実がついた年はない。
なので3月になるとエサになるものは出せない。早くどこかへ飛んでいってもらわねば・・。
さくらんぼの花が咲きだすと、花に集まる虫たちを花ごと食べる。
もちろん、人より早くさくらんぼ狩りもする。
木の上の果物ならなんでも貪欲に食べる。特にりんごの食害はひどい。一羽のヒヨドリの食害は年間数万円にもなると思われる。
広い園地のこと、網で囲むこともできない。
それに渡り鳥のため、条約で保護されており、撃つこともできない。
動物病院に持ち込まれたヒヨドリを知っているが、冬のあいだはずっと病院で保護されていた。
ヒヨドリは渡り鳥として冬から春にかけて移動するが、定住型タイプもいる。縄張りをもち、いつもつがいで暮らす。
初夏、他の鳥の繁殖期が終わるころから繁殖にはいる。
巣は2,3メートルの高さで、枝が生繁って暗くなったところに作る。
ウズラの卵ぐらいのを4個、淡い茶色にゴマ模様。
警戒心が強く、人目に触れると翌日にはどこかに引っ越ししてしまう。
いまだにヒナの姿を見たことがない。
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