以前、さくらんぼが凍害でダメになり、さくらんぼ狩りを中止したことがある。
大規模な凍害は本当に深刻なダメージをうけるのです。
凍害とは一言でいうなら、農作物が寒さで凍ったために被害を受けることだ。
凍害には2種類がある。
冬期の厳しい寒さで木が枯れる場合と、春先に花芽が低温でダメになる場合。
地球温暖化で、逆に冬が寒くなり、いろいろな障害が頻繁におこるようになってしまった。
木々は寒さから身を守るために、幹や枝の細胞内の水分を少なくし、糖分やタンニンなどの量を多くしたりする。
冬の寒い年は、春になると、凍害で枯れだす木が多くでてくる。暖地育ち(山形より南)のものは特に凍害を受けやすい。
毎年、凍害防止のために木の幹を藁(わら)で囲っているが、寒い年は、数十本あるイチジクの木が全部枯れてしまった。寒冷地用の品種を植えているのだが、山形ではイチジクは無理なのかと思う。
増産に力をいれている桃の若木、30本近くが凍害で枯れかかっている。
期待していた新品種だけにがっかり。めげずにまた植えるしかない。
何十年と育ってきた柿の木まで凍害をうけた。満足に花芽をだしているのは半分の木だけだ。
スモモも弱い。特に月光は弱い。
月光の栽培をはじめてから4,50年になるが、枯れては植え、の繰り返しで生産量が伸びない。今後も凍害を少なくするため、試行錯誤の努力が続く。
凍害は、いまだにはっきりとしたことはわからない。
根から上の、幹のところの皮と木質間、人間でいえば動脈の部分に水分が多くなり、寒さで凍ってしまい、細胞ば壊れてしまうことにあると考えられる。(血管が切れるようなもの)
秋の気温が高いとき、地面の温度が冬でも高いとき、寒暖の差が大きいときなど、要因としてかんがえられるが、相互に関連しあっており、はっきりとはいえないのだ。
以前、花芽の凍害がひどい年があった。
3月にとても暖かい日が続く。これが致命的にまずかった。
3月には果樹の花芽はもうできている。薄い皮でおおわれ、かたく小さい状態だ。
暖かくなると根が活動をはじめ、花芽に水分をおくりはじめる。
すると花芽は少しずつふくらんで成長をはじめるのだ。
ふくらみはじめから開花まで一番デリケート。生まれたばかりで抵抗力のない赤ちゃんと同じだ。
4月上旬、マイナス6度以下になった。この寒さで多くの花の細胞が凍って壊れてしまった。
マイナス3度あたりから凍害はおこる。
特にめしべはデリケートで被害も確認しやすい。死んだめしべは茶色に変色してしまう。
花が成長して水分の割合が高いほど被害にあう。
成長が遅く、水分の割合が低いと大丈夫。花が早く咲くさくらんぼの被害が大きい。
桃の凍害もはじめてだ。
あと、3日、成育がすすんでいなかったら耐えられたのに・・・
温度差が激しく、年々農作物を作るのが難しくなっている。
加藤勇